5月9日は高島平の日

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*5月9日は「高島平の日」です。ゴールデンウィークに連なる祝日でもないのでほとんどの人は知る由もありませんが、歴史に残る一日です。
*天保12(1841)年、徳丸ヶ原と呼ばれた300haを超える広大な幕府直轄地において日本初のビッグイベントが行われた日なのです。

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*長崎の砲術家である高島秋帆(たかしましゅうはん=写真)率いる一行は、西洋式砲術調練を徳川幕府要人らの目前で行い最新の兵法と砲術を展開させて見せました。

*鎖国体制を揺さぶる欧米列強に対抗すべく西洋式海防への転換が急務となるなか、和式砲術とは桁違いの威力に1千人におよぶ観衆は息を飲んだはずです。若き勝海舟の姿もありました。


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高島四郎大夫砲術稽古業見聞之図(板橋区立郷土資料館蔵)

*開国への先鞭をつける偉業を成し遂げた秋帆ですが、その存在は激動する時代のはざまに飲み込まれるようにいつの間にか歴史の舞台から遠のいてしまいます。

*ところが天保から10の元号を経た127年後の昭和43(1968)年、その名はこつ然と現れ徳丸ヶ原に舞い降ります。高度経済成長の住宅政策を担うニュータウンに秋帆由来「高島平」の町名が冠されたのです。

*まるで、来るジャパンアズナンバーワンと称される日本の繁栄を予見するかのように高島秋帆は時を超え、新開地の象徴としてよみがえりました。

*あの日から183年がたちました。5万人が住む高島平は成熟のときを迎えています。「時代の動く地鳴りが伝わってくる」。秋帆の声が遠くから聞こえそうな5月9日です。


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1972年に入居が始まった高島平団地のいま

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