ナイター中継に異変 TBSラジオ撤収

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                      2018年3月30日 東京新聞

◆今シーズンのプロ野球公式戦が開幕する3月30日、新聞のラジオ欄に異変が。見ると、NHK第一(広島×中日)、文化放送(日ハム×西武)、ニッポン放送(巨人×阪神)、ラジオ日本(同)の各局がエース級のアナウンサーと看板解説者を配し第一球目から球春の訪れを伝える態勢を組んでいることが分かります。ところが「エキサイトベースボール」のタイトルで昨年まで放送されていたTBSラジオのナイター中継が、そこには載っていません。同局のナイター中継は終焉となったのです。

◆1952年からプロ野球中継を行ってきた同局なのに、なぜやめることになったのか。昨秋、入江清彦社長は「首都圏では最大で5局のラジオ局が同じプロ野球ゲームを中継するという現状に鑑み『リスナーの多様なニーズに応える』という意味では果たしてどうなのだろうかという議論を続けてきた」「新たなレギュラー番組を開発・編成していき既存リスナーだけでなく、今ラジオを聴いていない新規リスナー獲得を強く目指します」と宣言。「4月からの新番組では聴取率の結果には拘らず、多様なターゲット設定と企画開発によって『新しいラジオの需要』を編成的・営業的に開発していきたいと考えています」との見通しを示したということです。

◆プロ野球人気は底堅いものの若年層の関心はサッカーなど多様なスポーツに移り、野球人気の退潮はじわじわと進んでいます。地上波テレビもゴールデンタイムでの生中継を取りやめています。高額な放送権料や解説者の出演料なども考慮すると、ラジオ中継はソロバンに合わないようです。

◆ナイターシーズンになるとAMラジオはプロ野球中継に独占されてきた歴史があります。しかも巨人戦中心が長く続き、リスナーの要望に十分応えきれませんでした。TBSラジオは新番組「ライムスター宇多丸のアフター6ジャンクション」を18時から22時に放送します。クライマックスシリーズも日本シリーズも中継しないとのこと。旗幟鮮明にして打って出る戦略は吉と出るのか。渡辺健太郎、山田二郎、石川顕、松下賢次、林正浩、初田啓介らアナウンサーの炎の声が懐かしい限りです。

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