いいものはいい!琉球紅型染
◆日本の染織は北から南まで産地ごとにれぞれ魅力があって、いずれも甲乙つけがたく嗜好を満たせてくれます。ちょっと挙げるだけも、京都・西陣織、新潟・塩沢絣、石川・加賀友禅、徳島・藍染…。
◆沖縄に伝わる鮮やかな染めものが、琉球紅型(びんがた)です。15世紀中頃から、王府の手厚い保護のもと生産されてきました。金彩遣いがあるわけでもなく、コントラストのある配色と大らかな柄行きが立体感を醸し出して見る者を惹きつけるのです。
◆【特徴】中国の型紙の技法。京友禅の手法も取り入れた沖縄唯一の染物です。色調は綿布、絹布、芭蕉布等に顔料、植物染料を用いて手染めします。色鮮やかな紅型と琉球藍の浸染による藍型(えしがた)とがあります。それぞれ南国独特の神秘的な魅力を持っています。
◆【作り方】技法によって型付け(型染め)と、型紙を用いず生地に下絵を描き、糊袋の筒先で下絵の上から糊を置き、その後彩色する筒引き(筒描き)とに分かれます。また色調には紅型と藍型があります。型紙は柿渋を用いて手漉き和紙を張り合わせた地紙の下にルクジュをあてがい、下絵に沿って小刀で凸彫りします。染織の際、模様の部分に色差しをし、その上に隈取りというぼかし染が施され、立体感を表現します。(以上「伝統的工芸品の本」 財団法人伝統的工芸品産業振興協会)
◆上の画像は、人気紅型作家、城間栄順氏作なごや帯。
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